「デバッグ」という言葉を聞いたことがありますか?
別名「テスター」とも呼ばれるこの職業は、ゲームをしてお金を稼ぐことができるんです!
そんな夢のような職業って本当にあるのか?と疑うのは当然。でも実際にあるんです。
ゲーム好きにとっては非常に興味深い仕事であるデバッグ。
その仕事とは一体どんなものなのか。詳しく解説していきます!
目次
デバッグのアルバイトとは?
テレビゲームでもスマホでも、プレイ中に画面停止が起こった経験はありませんか?
いきなり画面からキャラクターがいなくなったり、コントロールが効かなくなったり。
これらの不具合を総称して”バグ”と呼びます。
本来はゲーム(商品)が購入者の手元に届く前にバグを解消するのですが、時に検証が不十分のまま販売されてしまうことがあります。
ゲームがきちんと正しく作動するように、バグチェックをする作業のことを「デバッグ」と言い、その作業を行う人のことをデバッガーと言います。
もちろん、バグを取り除く専門的な分野はエンジニアが行いますが、その前段階のバグを発見するのがデバッグの仕事になるんです。
デバッグのアルバイトの仕事内容
デバッグの仕事はゲームをプレイすること。しかし、ただ単にゲームをするのが仕事ではありません。
”バグ”を見つけることを目的としていますから、いわゆるテストプレイを行っていきます。
例えば、何度もキャラクターを壁にぶつけ続けたり、同じ敵と繰り返し戦ったり。
そしてバグを発見すると、その報告をチームリーダーに行います。
デバッグは基本的にチームでバグ探しを行い、仕様書に従ってプレイし、仕様書と異なる部分があれば確認→修正→再度チェックという流れです。
ゲーム難易度も重要な要素になるので、あまりに難しいミッションがゲーム内にあればその報告もデバッガーが行うのです。
こうして何重ものチェックを終えたゲームが市場に出回るわけですが、実は発売後もデバッグの仕事は続きます。
ネットを通じてゲームをアップデートするのが当たり前になった昨今では、アップデート後の修正作業を行います。
その際にもバグ探しを中心に、ゲームをプレイし、発売前と同じように報告と修正作業を繰り返していきます。
デバッグのアルバイトのメリット・デメリット
デバッグのアルバイトのメリット
作品に携わることができる
有名なゲームはもちろん、大手の企業でもデバッグの求人募集はあります。
昔遊んでいたあのゲームの「開発者」の1人として作品作りの一端を担うことができるんです!
もちろんゲームのエンディングロールにクレジット表記されることもあり、誰よりも先取りで最新ゲームがプレイ可能ですし、何よりもゲーム作りのリアルな現場を肌で感じることができます。
ゲーム好きな友達ができる
ネット社会がますます広がる一方で、身近なゲーム仲間が減ってきているのではないでしょうか。
デバッグの仕事はゲーム好きが集まる現場ですし、人脈が広がります。
さらに、将来的に開発者としての道を探っている人も多いでしょう。
最終的にデバッガーとしてではなく、開発者を目指すなら意見交換ができる現場でもあるんです。
好きなことをしてお金がもらえる
肉体労働のバイトや人間関係が面倒なバイトなんてやりたくない!そう考える人にとっても、デバッグは最適な仕事と言えます。
座り作業ですし、重い荷物を持ち運ぶような場面に出くわすことはまずありません。
チームで動きますが、作業は基本的に1人で行います。そのため、人間関係に頭を悩まされることはないでしょう。
そしてゲーム好きであれば、これほど楽しい仕事はない!好きなことをするだけでお金が入ってくるんですからね。
デバッグのアルバイトのデメリット
収入が安定しない
デバッグ経験者の悩みはこれです。開発中のゲームのバグチェックがすみ、発売となれば仕事は終了となります。
そのため、デバッグは日払いや短期のバイトで募集されるケースが少なくありません。
また、決まった曜日に仕事がないため、デバッグだけで生活するのは難しいのが現状です。
ゲームが楽しめなくなる
趣味がゲームで、仕事もゲームなんて最高!とデバッグをやり始めた頃は喜んでいたのに…。
いつの間には「家に帰ってまでゲームはやりたくない」と考える人もいるようです。
デバッグはノルマに追われることもありますから、楽しんでプレイしていたゲームも、無意識にバグを探してしまうのが、デバッガーあるあるだそうです。
同じことを繰り返さなければいけない
現場によっては「バグが見つかりませんでした」では済まず、「なんでもいいからバグを見つけろ!」とハッパをかけられることもあります。
そのため、延々と同じようなプレイを繰り返し、どんなに小さな”穴”でも見つけることに集中しなければいけません。
バグを確定させるためにも、ひたすら同じプレイを行う必要があります。
デバッグのアルバイトの時給と勤務時間
時給
1,000円〜1,500円。完全出来高制の現場もあり。
勤務時間
6〜8時間。繁忙期は残業あり。
デバッグのアルバイトの口コミ
良い口コミ
20代女性
現場は結構淡々としています。みんなドリンクやお菓子持って、仕事に臨むんですけど、それほどワキアイアイとしている職場はないと思います。
そんな中で、ず~っとモニターをチェックしてバグがないかを確認するんです。で、終わったら報告書。
楽だけど意外につまらない仕事だな~って思ってたんですけど、自分の報告書をもとにバグを直してもらえるとめっちゃ感動します!
その他にもゲームのシナリオとまではいきませんが、改善案を出したりするんですね。それが採用ともなると、さらに感動は増します!
デバッグって所詮バイトで、制作には一切携わらない。そんな風に考えていたのが一気に吹っ飛びました。
毎回毎回、報告書の内容を考慮されたり、改善案が採用されるわけじゃないけど、一度でも意見を取り入れてもらえれば、やりがいのある仕事だとわかると思います。
30代男性
面白いバグに出会うとテンションが上がります。
僕は勝手にマジバグと呼んでいるですけど、通常は文章の誤字脱字ぐらいでなんですね。見つけるバグって。
それでもたまに装備した剣のサイズがめちゃくちゃだったり、わけのわからない物になってたりすると「おお!」ってなります。
実は面白いバグってネットで拡散されたり、テレビ番組を組まれるほどゲーム好きの間では話題になるんです。
レアな物件を自分が見つけるぞ!と思えばモチベーションも上がりますから。
RPGは慎重にプレイする派なんで、普通だったらアイテムも魔法も控えめなんですけど、デバッグの場合はガンガン使います。それが仕事なんで。
それでいてバグが見つかるとなんとも言えない気分になります。
悪い口コミ
40代男性
制作側だって、バグを発生させようとしてゲームを作るわけじゃありません。要はこの仕事ってアラ探しなんです。
細かく細かく、いろんな部分を見て検証しなきゃいけないんですから、仕事は繰り返しの連続になりますよね。
RPGのゲームではひたすら壁にぶつかるという操作を2~3時間続けました。通り抜けることがないか、きちんと「ぶつかった音」がなるのかを確認するんです。
その他にも対戦系だと、戦う側・挑まれる側の両方で4時間以上プレイしたことがあります。使用するキャラを変えて、また4時間。そんな感じです。
正直、ゲーム好きにはおすすめしません。大半の人は嫌いになるからです。ゲームが好きじゃない人にはもっとおすすめしません。操作の目的がわからなくて、ただただ苦痛だから。
じゃあどんな人におすすめなのかっていうと、ゲームを機械的な作業として考えられる人。
「このゲームを検証してください」と言われれば、好き嫌いなんか考えず、静かにプレイできる人。
頭で考えながら仕事をしていると…多分おかしくなります。
20代女性
すっごいストレスの溜まる仕事ですね。体力は必要ないかもしれないけど、仕事終わりに肩こりや目の疲れはどっときます。
そんな体にかかる負担もあるし、バグを確定させるまで時間がかかるんです。
同じ場面を同じようにプレイしていても、バグが出る時と出ない時がある。だから報告書を出しても「バグは出ないよ」と返されるケースもたくさんあります。
そんな時は再チェックが入るんです。で、バグが出ない。
自分の見間違いかな、バグはなかったのかな、そう思っていたら、違う人がバグを見つける。
それで確定が出るまでまたも再チェック…。
本当にイライラさせられます。
フィールドチェックしている時に、文章間違いを見つけてしまったり、難易度チェックしている時にまた別のバグを見つけたり。
仕事の境目や役割がきちんと決められていなければ、その現場は地獄になります。
デバッグのアルバイトはどういう人におすすめ?
1.一人で黙々と仕事に打ち込みたい人
デバッグの仕事は社交的である必要はありません。チームで1つのゲームのバグチェックを行いますが、外部からお客さんが来ることもなければ、接客を必要とする場面はありません。
チーム内できちんとコミュニケーションをとって、作業に入ればあとは1人の世界に入り込めばいいんです!
2.ゲーム・パソコン好きな人
ゲーム好き、普段からゲームをしている人はデバッガーとして有利だといえます。
全くのゲーム初心者は一から操作を覚えなければいけませんし、デバッグにはIT用語が多用されます。
それらの言葉に精通していれば、デバッグの仕事を早く覚えることができるでしょう。
3.他人の立場になって考えることができる人
バグを見つけるのは、ゲームを購入する消費者へきちんとした製品を送り届けることを目的としています。
自分がプレイヤーとなった場合、楽しくゲームをしていたら予想外のバグが起きた…そうなっては気分がガタ落ちです。
消費者のことを考え、たとえ小さなバグだとしても、それを見つけることをモチベーションにできる人はデバッグの仕事に向いています。