派遣として働くことになったけれど、「派遣にも残業代は出るのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな不安を解消するべく、残業代の支給条件や実際に残業をする際の注意点についてお伝えします。
残業の中には、残業代が出ないケースも存在します。残業手当が支払われない残業は「サービス残業」と呼ばれ、しっかりとチェックしておかないと大損してしまうかもしれません。残業についてのポイントを押さえ、気持ちよく働きましょう!
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目次
派遣社員のサービス残業は違法!?
サービス残業とは、雇用主が定められた時間外での労働手当(残業代)を支払わずに従業員を働かせることは、立派な違法行為です。
派遣で働いているからといってサービス残業する必要はありませんし、むやみに引き受けてはいけません。
しかし、派遣社員は雇用主(派遣会社)と実際に働く企業が異なるため、残業代が支払われない際に誰に相談すれば良いのかよくわからない方もいるのではないでしょうか。
まずは、派遣で働く際の残業について詳しく知っておきましょう。
派遣社員も残業代をもらう権利がある
「自分は派遣だから残業代が出ない……」と思っている方は多いのですが、そのようなことは一切ありません。正社員であれ派遣社員であれ、残業代をもらう権利に、雇用形態における差は基本的にはないのです。
派遣社員が就業する際には、「雇用契約書兼就業条件明示書」という書面を交わすことになりますが、この中に残業の有無が記載されています。
残業が課される場合には「36協定」の締結が必要であり、この締結なしに残業を課すことはできません。36協定については下記で詳しくご紹介するので、しっかり覚えておきましょう。
また、労働時間のカウントを15分単位や30分単位としている企業もありますが、賃金は分単位で発生するため厳密には違法となります。
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派遣社員の残業代は派遣元の会社が支払う
なかには、どうしても残業が断りきれなかったという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、派遣で働いている方は「残業代は誰が払うの?」と疑問に思うこともあるでしょう。
派遣社員の雇用主は派遣先の企業ではなく「派遣会社」であるため、賃金はもちろん、残業代も派遣会社が支払うことになります。
派遣会社から残業代が支払われていない場合は、上記でも言及したように「36協定」が締結されていない可能性があります。事前に契約書を確認し、派遣先企業から残業を求められる場合は派遣会社に相談しましょう。
必ず覚えておきたい労働基準法の3つの内容
労働法の順守が厳しくなっている現代において、派遣社員のサービス残業について疑問を抱く人も増えているようです。
働く際には、労働基準法についてしっかりと理解しておくことが重要です。
まずは、以上の3つの労働法の基本的な内容について見ていきましょう。
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所定労働時間とは
所定労働時間とは、企業と従業員との間で契約によって定められた、休憩時間を除く始業から終業までの労働時間のことを言います。
この所定労働時間は、下記に記載する法定労働時間の中で自由に決める事ができます。
法定労働時間とは
法定労働時間とは、企業と従業員との間の労使関係から、従業員が一方的な不利益を被らないために制定されているものです。
労働基準法では、法定労働時間を「1日に8時間以上、もしくは週に40時間まで」と定めています。
また、1日の労働時間が8時間を超える場合には45分間以上の休憩、8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与えることや、週に1日の休日もしくは4週間に4日以上の休日を与えなければならないことが定められています。
この時間を超えて働いた場合は「残業」となり、派遣社員であっても残業代を請求することができます。
36協定(さぶろくきょうてい)とは
36協定(さぶろくきょうてい)とは、法廷労働時間を超えて労働をする可能性がある場合や、裁量労働制などを導入する場合において企業と従業員(厳密には労働組合など)との間で結ばれるものです。
36協定は、労働基準監督署に提出することにより効力を発するもので、残業や休日出勤をさせる場合には必ず届け出なければなりません。具体的な内容としては、法定労働時間を超えて月に45時間、年に360時間までの残業を可能とするものです。
したがって、36協定を締結していない場合は、いくら残業をしても残業代が支払われません。働く前には、必ず36協定を締結しているかどうか確認しておきましょう。
派遣社員のサービス残業は損!残業代が割増しになるケース3選
残業代ならびに休日出勤などにおいては、企業は従業員に対し割増賃金を支払うことが労働法によって定められています。そして、働く時間や日にちによっては、残業代が割り増しになるケースがあるため覚えておきましょう。
ここでは、残業代が割り増しになる3つのパターンについてご紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
時間外手当
時間外手当とは、簡単に言うと残業代のことです。前述の法定労働時間を超えた労働に対しては、25%の割増賃金を支払わなければなりません。
深夜・早朝手当
深夜・早朝手当は、簡単に言うと夜勤手当のことです。労働法では、深夜22時から早朝5時における労働に対しては25%の割増賃金を支払うことを義務付けています。
例えば、残業かつ深夜帯の労働に対しては50%の割増賃金を支払うことになります。
休日手当
休日手当とは、簡単に言うと休日出勤手当のことです。休日出勤の場合には、35%の割増賃金を支払う義務があります。
労働基準法では、「週に1回」または「4週間に4日」の休日を与えなければならないと義務付けられています。この休日を「法定休日」と呼び、この法定休日に出勤する場合に休日手当が発生します。
自分が損をすることのないよう、これらの割増賃金は必ず覚えておきましょう。
派遣社員もサービス残業になってしまう特例もある
ここまで記載したように、基本的にサービス残業は違法であることはお分かりいただけたかと思います。しかし、中には残業代が出ないパターンも存在するので、下記に挙げるパターンに注意しましょう。
- 36協定が結ばれていない場合
- サービス残業を要求され、断わらなかった場合
- 実際よりも少ない勤務時間で報告してしまう場合
- 残業時間が端数で切り捨てられる場合
- 超過時間をみなし残業として扱われる場合
- そもそも残業ができないケース
36協定が結ばれていない場合
企業が従業員に残業を課すにあたって「36協定」を結ぶことは義務ですが、稀に36協定を結んでいない企業があります。
36協定を結んでいなければ基本的に残業代は出ないので注意してください。その場合は派遣元に相談して解決してもらうようにしましょう。
サービス残業を要求され、断わらなかった場合
派遣社員が派遣先企業から「サービス残業をしてくれないか」と要求され、これを断らなかった場合においても基本的には残業代が支払われません。
そもそもサービス残業を要求する時点で違法なのですが、派遣社員の心境からすると、「もし断ったら契約を更新してもらえないかもしれない……」との思いから受け入れてしまうこともあるかもしれません。
しかし、サービス残業を断られたことによって契約を解除するなどの報復措置を取る行為は違法となるため、安心して毅然とした態度で断り、派遣元に相談しましょう。
実際よりも少ない勤務時間で報告してしまう場合
こちらは心理的なものですが、派遣社員に限らず、日本の多くの従業員は企業との関係を良好に保ちたいとの思いから、できる限り残業代を請求せずに済ませようとしてしまいます。
他にも、「自分は残業代を請求していないのに彼は請求している」などの周りからの目線を気にしてしまうパターンも多いことから、このような風習が生まれてしまうようです。
残業代の請求は正当な権利であるため、臆せずに報告しましょう。
残業時間が端数で切り捨てられる場合
企業の多くは、勤務時間を15分単位もしくは30分単位など端数を切り捨ててカウントします。
この場合、例えば14分の残業では残業代が出ないことになりますが、この行為は違法です。賃金は分単位で発生するため、残業時間が14分であっても14分間分の賃金を請求できるので覚えておきましょう。
超過時間をみなし残業として扱われる場合
みなし残業とは、簡単に言うと会社が従業員の正確な残業時間を計測できない場合に、あらかじめ「このくらい残業しているだろう」とみなして残業代を給料の中に組み込んでおくことです。
この場合、みなし残業とみなされた部分内に収まればトラブルは起きませんが、悪質な会社の場合みなし残業以上の労働を強いる場合があります。その場合においても、派遣元に相談しましょう。
そもそも残業ができないケースがある
ここまで、残業をしたうえで残業代が出ないパターンについてご紹介しましたが、「そもそも残業ができない」というパターンも存在します。
具体的には、雇用契約書に残業できないことが明記されている場合や、労働条件通知書に残業に関する記述がない場合などです。これらに関しては、就業の段階で派遣元や派遣先企業でしっかりと確認するようにしましょう。
派遣社員も残業したい・稼ぎたい場合の注意点
労働法順守の風潮が強まった現代においても、やはり中にはサービス残業を強いられてしまうことがあります。また、中には残業してもっと稼ぎたいと考えている方もいるでしょう。
- 許可を得てから残業すること
- 時間外労働には上限がある
- 3月〜6月の残業は要注意
- 労働時間を自分で記入しておく
稼ぎたいと思って残業したのに、残業代が支払われなかった……という可能性もあるため、残業する際には、以上の4つのポイントに注意してください。
許可を得てから残業すること
基本的に残業は必ず許可を得てから行うようにしましょう。残業するだけして「勝手に残業したんだろ」と言われてしまってはトラブルの元になります。
時間外労働には上限がある
先に記載した通り、36協定を結んでいても、「月に45時間、年に360時間」の残業までしか認められていません。例外はありますが、基本的にはこの上限以上の時間外労働は応じないようにしましょう。
3月〜6月の残業は要注意
こちらは社会保険料の話です。大まかに分けると3〜6月辺りの収入が社会保険料の算出基準になってくるため、この時期に多量の残業をしてしまうと社会保険料が高くなり、結果として手取りが減ることになってしまいます。
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労働時間を自分で記録しておく
最後に、何かトラブルがあった際のために、実際の労働時間を自分で記録しておくのもおすすめです。
残業代の未払い問題などのトラブルが起きた際に、こういったものは非常に有力な証拠となります。
残業代の支払いについて誤魔化されそうになっている、うやむやにされそう……と感じている方は、必ず自分が働いた時間を記録しておきましょう。
派遣社員が自主的にサービス残業をする風潮も
派遣社員は企業からの評価に今後を左右されてしまうという特性上、自らサービス残業をしてしまう風潮があります。
ここでは、派遣社員が自主的にサービス残業してしまう3つの理由を挙げていきます。
業務量が多すぎるから
一般的に、契約社員や派遣社員は正社員に比べると雑に扱われがちです。どうしても雑務を含めた仕事を押し付けられることがあり、業務量が多くなってしまうことがあります。
契約社員や派遣社員からすると、「業務が終わらないと使えないと思われてしまう」という心配が生まれ、これがサービス残業につながってしまう原因になるようです。
業務量が手に負えない量になってきたら、しっかりと周りに相談して連携を図りましょう。
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労働時間外に取引先との打ち合わせが入るから
取引先の都合上、その打ち合わせなどが契約の時間外となってしまうことも珍しくありません。
打ち合わせなどは会社の外で行うことも多いため明確な証拠が出せず、さらに上記の通り契約社員や派遣社員は立場上「残業代をください」とは言いにくいものです。
あらかじめ、しっかりと周りに伝えるなどして対策を講じましょう。
派遣先の評価が気になるから
やはり、派遣社員がサービス残業を行う理由としては、「評価を落として契約終了になるのは避けたい」という部分に尽きるのではないでしょうか。
残業代を請求することは正当な行為です。これによって評価が落ちることはないので、安心して仕事に臨みましょう。
派遣社員でもサービス残業は断る勇気も必要!
日本の企業の中には、派遣社員に頼りきりな運営をしている企業も多くありますが、派遣社員はそもそも残業に応じる必要があるのでしょうか?
ここでは、残業を断れるケースと断れないケースそれぞれのパターンをご紹介します。
残業を断れるケース
基本的には就業の時点で派遣会社と従業員、派遣先の間で残業における契約が取り交わされることになりますが、残業可能時間が設定されている場合にはそれを超える残業には応じる必要がありません。
「派遣元から注意を受けてしまうので」と伝えると穏便に済ませられるでしょう。
残業を断れないケースも
上記に対して、派遣会社や派遣先から「こういう場合には残業がある」という内容をあらかじめ伝えられていたうえで、それに同意していた場合には基本的に残業を断ることができません。
残業を断るコツ
断れないケースを除いて、残業はできる限りしたくないですよね。しかし、なかなか断りにくいという方は多いと思います。
それでは、どうすれば残業を断りやすくすることができるのでしょうか。ここでは、2つのコツをご紹介します。
数日前から予め伝えておく
当日に残業を言い渡された場合には使えませんが、数日前に残業が確定してから突然「本日は残業できません」というのは、社会人としてマナーに欠けます。
あらかじめ伝えておくことによって残業を断りやすくなり、相手側の心境も「確かに前から聞いていたな」と思うため、職場の雰囲気を壊す心配もなくなるでしょう。
できる範囲内のことはする
突然用事が入ったり、残業ができないことをあらかじめ伝えたりすることができない場合もあるでしょう。
そのような場合には事情を伝えて、できる範囲内のことはしたうえで「その中でもここまではやりました」という形で伝えることによって、残業を断りやすくなります。
派遣社員になったら契約や労働基準法を把握して損のない働き方を
派遣社員にとって、自らの立場や権利を守ってくれるのは契約と法律です。契約書を深く確認せず流し読みしてしまう人も多いですが、これは絶対にNGです。しっかりと確認をして、納得したうえで働くようにしましょう。
また、基本的な法律の知識を有しておくことは現代において大切なので、労働に関する法律はある程度勉強しておくと安心です。
派遣社員の給料事情について知りたい方は、以下をチェックしてみてください。
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