派遣社員として働く中で、契約更新の時期が近づいてくると、悩みが生じることがあります。「今の職場を続けるべきか」「新しい環境に挑戦したいけど、どう伝えればいいのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、派遣契約を更新しない場合の円満な断り方と注意点について詳しく解説します。適切な伝え方や時期、理由の伝え方、さらには更新しない場合の影響まで、幅広くカバーしています。
この情報を参考にすることで、派遣社員としてのキャリアを自信を持って進めることができるでしょう。円滑なコミュニケーションを心がけ、次のステップに向けて前向きに進んでいけるはずです。
派遣契約の更新に関する不安を解消し、自分らしいキャリアを築くためのヒントが見つかるはずです。
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目次
派遣契約を更新しない場合の断り方
まずはじめに、本項目では「派遣の雇用契約の更新をしたくない」場合の断り方を解説します。
「更新したくない意思を確実に伝える方法」
「意思確認された際にどのような対応すればいいか」
以上2点についても分かる内容となっているので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
事前に「断る」意思を固めておき、実際に引き止められた時に揺らがないよう気をつけましょう。
派遣会社の営業担当者に直接会って伝える
断り方として一番確実な方法は「自分の担当者に直接契約を更新しない意思を伝える」ということです。
派遣担当者はあなたの情報を一番把握している上、あなたの一番の味方です。
まずは、派遣会社の担当者に直接退職の意思を伝えてください。
また、派遣先の採用担当者に契約更新をしない旨を伝えることはマナー違反となりますから、絶対にしないようにしてください。
あなたの雇用主は、あくまで所属している派遣会社です。何か相談がある場合は、まず雇用主である派遣会社に相談するように覚えておきましょう。
契約更新の1ヶ月前までに伝える
契約更新を断るのはなんとなく気まずい、伝えるのがついギリギリになってしまった、なんて声もよく聞かれます。
「更新の終了はいつまでに伝えればいいんだろう」と疑問に思った場合は、契約更新の1ヶ月前までに契約終了したい旨を伝える必要があります。
派遣社員は3ヶ月おきの更新がある場合がほとんどですから、次回更新の1ヶ月前をめどに退職の意思を伝えると良いでしょう。
正社員の場合は2週間前という規則がありますが、派遣社員は多くの場合「1ヶ月前までに申告する」という決まりがあります。
しかし、派遣会社によって多少タイミングの違いがありますから、登録会で配られた契約書や就労規則で確認をしておきましょう。
派遣契約を更新しない理由一覧
契約更新を断る際に最も悩むことは「断る理由」ではないでしょうか。辞めると言うことはとても言い出しにくいことですよね。
更新しない理由としては以下のようなものが挙げられます。
効果的かつスタンダードな断り方です。
「一身上の都合」なら相手側も深く追求することができず、納得するしかありません。
伝えにくい理由や、自分都合の理由で契約を更新しない場合は適しています。
親の介護や家族の転勤、育児のためなど、さまざまな理由があります。
家庭の事情は私的なことなので、あまり話したくない方は無理に正直に話す必要はありません。
一身上の都合としても良いでしょう。
「次の仕事をみつけてスキルアップしたい」などの前向きな理由であれば、正直に伝えましょう。
また「正社員を目指して転職する」といえば、派遣会社も止める理由はありません。
円満に契約終了するにはぴったりな理由です。
「仕事が合わなかった」というよりは、「自分のスキルでは難しかった」という自分の実力不足を伝えると印象が悪くなりづらいです。
派遣担当者に伝えることであなたの適性がわかり、次は無理なく働くことが可能な職場を紹介してもらうことにもつながります。
人間関係のストレスは早めに対処する必要があります。
あなたが派遣先企業での人間関係トラブルを告発することにより、次に派遣される人も予防できるというメリットがあります。
「勉強時間が必要だからフルタイム勤務は難しくなった」と伝えることは契約終了の理由として相応しいです。
「資格取得=スキルアップ」という姿勢はとても評価が高く、今後もっと条件の良い仕事に案内してもらえる確率も高まります。
派遣会社自体に不満がないのであれば、派遣会社の本部に連絡をして「担当者を変えてほしい」旨を正直に伝えましょう。
実際に派遣担当者を変えてもらうことはよくあるため、派遣会社の社員はあまり気にしていません。
悩みながら仕事を妥協するのではなく、改善を目指しましょう。
辞める理由・更新しない理由を伝える際には、以下のポイントを押さえて説明することを心がけましょう。
- 嘘はつかない(言い訳をしない)
- 感情的にならない
- 更新しない意思が固まっている
派遣の更新はメールで断ってもいい?
契約を終了したい旨を伝えるには、派遣担当者に対面で伝えることがベストです。
しかし、契約終了はネガティブなイメージですから、「気まずい」「行きたくない」と思ってしまうこともあるでしょう。
どうしても直接伝えることが嫌な場合は、電話やメールで伝えることも可能です。対面の次におすすめするのは、確実に本人に伝えることができる電話連絡です。
ただ、電話に出てもらえない場合や、担当者から折り返しの連絡がないというデメリットもあります。電話に出てもらえない場合は、メールでも連絡を入れることを心がけましょう。
「先ほど契約終了の件でお電話させていただきましたが、ご不在でしたのでメールでご連絡させていただきます」
といったメールを入れることで記録にも残るので、電話連絡をする際はうまくメールと組み合わせるのがおすすめです。
また、精神的負担が大きい、どうしても気まずい、という方は、退職代行サービスを利用するのも一つの手です。
退職代行サービスは、企業に退職意思を伝え、自分の代わりに手続きを行ってくれるサービスです。サービス内容は企業によって異なるので、利用する際は内容をよく確認しておきましょう。
契約更新を断る際のメール例文を紹介
電話でも、どうしても気まずい、緊張する……という方もいるでしょう。そういった方は、メールで断ってもマナー違反にはなりません。
しかし、メールは見落とされてしまう可能性もあるので、最終手段にするのがおすすめです。
ここでは、契約更新をメールで断る際の例文をご紹介します。
見落とされないように、件名ではっきりと「契約更新辞退の件」と記入しておきましょう。
件名:契約更新辞退の件〇〇派遣会社
〇〇様
お世話になっております。
派遣スタッフの〇〇〇〇(フルネーム)です。
現在、派遣させて頂いている◯◯様(派遣先の会社名)との契約更新の件でご連絡致しました。
大変恐縮ではございますが、今回の契約の更新はしない方向でお願い致します。
お手数をおかけしますが、ご対応のほど宜しくお願い致します。
〇〇〇〇(フルネーム)
メールでは、更新を断りたい理由について細かく伝える必要はありません。上記の例文のように、わかりやすく簡単な文章で良いでしょう。
派遣の更新の確認は、契約期間の1ヶ月前に連絡がくるのが一般的です。派遣会社からいつまでも確認の連絡がこない場合は、こちらから連絡してみましょう。
更新したくないと意志が固まっている場合は、確認の連絡が来た際に更新終了したいことをそのまま伝えるとスムーズです。
派遣契約更新を断る際の注意点
派遣契約の更新を断る際には、いくつかの重要な注意点があります。
いくつかの点に注意を払うことで、円満に契約を終了し、今後のキャリアにも良い影響を与えることができるでしょう。
法的リスクとトラブル回避の方法
派遣契約を更新しない場合、法的リスクやトラブルを避けるためには、適切な手順と配慮が求められます。
まず、個別契約書の内容に従い、契約終了の意思は契約期間満了の30日前までに通知しましょう。
理由は客観的かつ建設的に説明し、書面での通知を忘れずに。重要な内容は対面で伝え、その後メールでフォローアップします。
契約終了後も秘密保持義務を守り、必要に応じて誓約書を交わしてください。引き継ぎを円滑に行うことで、良好な関係を維持し、将来の職歴や推薦状に良い影響を与えることができます。
丁寧かつ誠実な対応で、法的リスクを最小限に抑え、円満に契約を終了しましょう。
メールで断ってもよいケースと対面で伝えるべきケース
派遣契約の更新を断る際は、状況に応じてメールか対面での連絡を選びましょう。
短期の派遣や簡単な業務の場合はメールでも許容されますが、長期勤務や重要な役割の場合は対面が望ましいです。
特に、6ヶ月以上の長期派遣やプロジェクトの中心的な役割を担っている場合は、直接会って説明することが大切です。
また、派遣先との関係や更新を断る理由によっても方法が変わります。まずは派遣会社の担当者に相談し、適切な対応を選びましょう。
メールで断る際の注意点
- 件名を明確に:「契約更新について」など、内容が一目でわかるようにします。
- 結論を先に:冒頭で更新を断る意思を明確に伝えます。
- 理由は簡潔に:詳細な説明は不要ですが、「個人的な事情」など簡単な理由を添えると丁寧です。
- 感謝の言葉を忘れずに:これまでの機会に対する感謝を表現しましょう。
- 文面のチェック:誤字脱字がないか、失礼な表現になっていないかを確認します。
- タイミング:契約期間満了の1ヶ月前までには連絡するのが望ましいです。
ただし、初めての更新や重要な案件の場合は、メールだけでなく直接会って伝えることも検討しましょう。
対面でのコミュニケーションは、より誠意が伝わりやすく、今後のキャリアにも良い影響を与える可能性があります。
派遣契約の更新に関するよくある質問
本項目では、それぞれの理由から派遣の契約を更新しないと決めた際に、よくある質問をまとめて解決します。
契約解除のタイミングによっては、あなたにとって不利な結果をもたらすことや 、 信用を失ってしまう場合がありますから事前に留意しておきましょう。
後悔した場合、更新したすぐ後に撤回は可能?
「更新したけど後悔している!」という悩みを持つ方がいるかもしれません。
派遣法では更新の直後の撤回は禁じられておりませんので、更新の契約を撤回することは可能です。
しかし、法律的に問題はないといえども、更新した後に改めて断ると派遣会社の担当者や派遣先企業に対して多大な迷惑をかけることとなります。
撤回する際はできるだけ早く連絡するように心がけましょう。
初回更新でも更新しなくて大丈夫?
「初回で契約終了を申し出るのは早すぎる?」とためらう人もいるかと思います。
長期派遣での募集だった場合は、特に言いにくいですよね。
しかし、何年も経過してからの更新確認の際に終了を切り出すよりも、初回更新をしないほうが企業にとっても派遣会社にとっても被害は最小限に済みます。
合わないと感じたのであれば、早めに終了の意思を伝えましょう。
期間満了前に辞める場合は自己都合での退職になる?
先述しましたが、派遣の期間満了前に退職をしたい場合は「自己都合での退職」とみなされて失業保険の受給に不利となることがありますから気をつけたいポイントです。
パワハラや体力的な問題でどうしてもすぐに辞めたいという場合は仕方ありませんが、もし待てるのであれば契約終了のタイミングを待って退職をするようにしましょう。
派遣を更新しないで辞めたら失業保険はもらえる?
派遣社員が契約の更新をしない場合は、失業保険の受給が可能です。
「契約終了後のことが心配で退職の踏ん切りがつかない」と悩んでいる方は安心してくださいね。
しかし、失業保険をもらう際には注意するポイントがいくつかあり、守らなければ支給されない場合や期間や金額が減ることもあります。
失業保険と一口に言っても、「自己都合の退職」「会社都合の退職」によって受給できる期間や金額が大きく異なります。
派遣先企業において契約更新のタイミング以外で退職を希望する場合は、「自己都合の退職」とみなされて失業保険受給までに3ヶ月以上かかったり、受給できる期間が短くなることがあります。
一方で、契約満了で退職をした場合は「会社都合の退職」とみなされますから、受給までは1週間と短い期間で受給することができます。
また、受給できる期間も自己都合の退職と比べて長くなりますから、出来る限り契約更新のタイミングで退職を切り出すようにしてください。
失業保険がもらえる条件としては、
- 現在の派遣会社で6ヶ月以上雇用保険をかけている
- 遡って過去2年間に12ヶ月以上の雇用保険支払いの実績がある
上記2点が失業保険を受給する際に必須の条件となります。
派遣会社にて長期で勤務している場合は、多くの方が当てはまるはずです。
また、現在の派遣先以外でも過去に雇用保険をかけていた場合は、支払い実績があるとみなされますから、自分の経歴と併せて確認しておきましょう。
派遣契約を更新しない場合は理由をきちんと伝えよう
今回の記事では、派遣社員が契約終了に際して退職したいと思った時どのようにして誰に伝えるかと言うことや、退職を円満に行うために役立つ理由をご紹介しました。
また、辞め方によっては雇用保険の受給に大きな違いが出るため、気をつけなければならないポイントについてもよく分かったかと思います。
雇用保険は自分のお給料から月々支払っているお金ですから、できるのであれば満額受給したいものです。
しっかりと受給するためには退職するタイミングに気をつける必要がありますから、辞める際も賢く退職する方法を守りましょう。
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