スマホの普及によってゲームアプリが爆発的に増えたことによって、アプリの開発の一環としてアプリの動作確認をするバイトが誕生しました。
それが「アプリの動作確認バイト」です。文字通りスマホアプリの動作を確認する仕事で、新しいアプリを開発・リリースする際に必ず行われます。制作会社の社員は多くのアプリを担当しているので、リリース前のアプリのテストをする人をバイトとして募集するのです。「アプリテスター」や「デバッグ」と呼ばれることもあります。
また、企業が社員用の携帯を大量に発注し、それぞれに必要なアプリをダウンロードする仕事も「動作確認バイト」に含まれることもあるでしょう。
この記事では、アプリの動作確認バイトの仕事内容や平均時給・勤務時間などと合わせて、メリットデメリットなども解説していきます。実際にアプリの動作確認バイトをした人の口コミなども紹介していくので、「ゲームが好きでゲームに関係するバイトをしてみたい」「肉体労働や接客の仕事が苦手」という人は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
スマホアプリの動作チェックバイトの仕事内容
スマホアプリの動作確認・チェックバイトの仕事内容は主に下記の3つです。それぞれの仕事内容について詳しく見ていきましょう。
- アプリの不具合・バグのチェック
- アプリの感想をフィードバック
- 企業向けのスマホに対しての動作確認
順番に解説していきます。
アプリの不具合・バグのチェック
配信前のゲームアプリに不具合やバグがないかをチェックするのが主な仕事です。指示をするリーダーと動作確認バイト数名でチームを組み、一つのゲームアプリに対してさまざまな項目をチェックしていきます。項目は業務を行う際に企業から提示されるので、内容をしっかりと確認しましょう。
チェックする項目の具体例は、表示される文章に誤字脱字がないか、同じ選択肢を選択し続けたり同じ敵と戦い続けたりした場合にゲームが正常に作動するか、グラフィックに不自然な点がないかなどです。バグを見つけた場合はリーダーに報告し、再び次のバグチェックに戻るといった作業の繰り返しになります。
一つのアプリに対して1週間~2週間ほど時間をかけますが、場合によっては1ヶ月ほどかかる場合もあります。アプリがアップデートされた際には同じゲームをバグチェックするケースもあるでしょう。
アプリの感想をフィードバック
アプリの動作確認バイトの仕事内容には、アプリの感想のフィードバックも挙げられます。感想だけでなく、操作方法は分かりやすいか、どのような機能があったら使いやすいかなど、具体的なフィードバックを行っていく仕事です。
「面白かったです」「使いやすいと思いました」などの感想だけでは、開発側の参考にならないので、改善すべきポイントなどを詳細に伝えるようにしましょう。
企業向けのスマホに対しての動作確認
企業向けのスマホに対しての動作確認を行うバイトも、「アプリの動作確認バイト」として募集されていることがあります。例えば、LINEで連絡を取り合う企業には、発注されたスマホ一つ一つにLINEアプリをダウンロードしていくといった仕事です。
この場合、正常にアプリが動作するのかをチェックするというよりも、きちんとアプリがダウンロードされているのかを確認するのがメインの仕事になります。
スマホアプリの動作チェックバイトの平均時給・勤務時間
動作確認バイトの時給相場は900円〜1,200円ほどです。中には1,500円以上の高単価な求人もあります。他にも、歩合制を採用している会社もあり、基本給+バグを発見した時点でボーナスを支給するという会社もあるようです。
ゲームをやっているだけでこれだけの時給がもらえると考えれば、ゲームが好きな人にとっては最高の仕事になると思うでしょう。しかし、動作確認バイトは不具合やバグの確認をするのが主な仕事なので、純粋に楽しみながらゲームをすれば良いというわけではありません。その点には注意しておきましょう。
また、動作確認バイトの1日の平均勤務時間は7時間です。勤務時間が長く、平日のみの勤務となっている企業も多いため、高校生が働くことはできません。短時間で募集している会社はほとんどなく、また短期で働くよりも長期で働いていてくれる人が優先的に採用される傾向にあります。
スマホアプリの動作確認バイトのメリット
動作確認バイトのメリットは以下のとおりです。
開発段階の発売前のゲームをプレイすることが可能です。最新のゲームを誰よりも早くプレイでき、本来課金しなければいけない場面でも、お金を使うことなく進められます。
自分がバグを見つけることで、その不具合が改善されてアプリがより良いものとなります。報告書の中に発見したバグの「改善案」を盛り込めば、それを元にアプリの修繕がされるなど、意見が反映されることもあるでしょう。
実際にリリースされているゲームでも、面白いバグだとネットですぐに拡散されたり、場合によってはテレビで特集を組まれたりすることもあります。リリース前のアプリはリリース後のアプリよりもバグが多いので、こういった面白いバグを見つけるのを楽しみながら仕事ができるのはメリットといえるでしょう。
スマホアプリの動作チェックバイトのデメリット
アプリの動作確認バイトはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。動作確認バイトのデメリットは以下のとおりです。
動作確認バイトはバグを見つけるのが仕事なので、長時間ひたすら同じ操作を繰り返します。開発者の視点から見れば、完璧に仕上げた段階でアプリの確認段階に移行するわけですから、悪く言えばその「あら探し」をしなければいけません。7〜8時間程度の長時間同じ作業をし続けるのがつらい人は飽きてしまうでしょう。
動作確認は基本的に納期が決まっているので、それまでにバグがないのかをすみずみまでチェックしなければいけません。案件によっては極端に短い納期で仕上げるアプリもあり、そうなると1人あたりのノルマが課されることも。
スマホアプリの動作チェックバイトがおすすめな人の特徴
「楽しく仕事ができると思ったのに現実は厳しかった」と思ってアプリ動作チェックを早々に辞めてしまう人も少なくありません。
この仕事は、ゲーム好きであることは大前提ですが、その上で忍耐強く地道な作業ができる人に向いています。IT用語がたくさん飛び交う現場となっているため、プログラミングを勉強している方や元々IT用語に強い方はアドバンテージがあるでしょう。
また、接客業はないので常にコミュニケーションを取る必要はありません。無理に社交的にならなくても、チームの人と段取りを組むことができれば、コミュニケーションが苦手な人でも人間関係に悩むことはないでしょう。
スマホアプリの動作チェックバイトの口コミ・評判
アプリの動作確認バイトのメリットデメリットを解説しましたが、ここからは実際にバイトをした人の口コミを紹介します。良い口コミ・悪い口コミでそれぞれ紹介するので、詳しく見ていきましょう。
20代女性
年齢層も幅広くて、いろんな人と出会えるバイトです。
私が働いていた職場はオフィスビルの一室に、スマホが何十台も置かれていてパソコンのモニターがずらっと並んでいました。
そこに大学生から一番上は40代のおじさんまで、いろんな人がいました。仕事柄なのか若い人の方が圧倒的に多かったです。
真っ赤な髪の毛の人がいたり、全く他の人と会話しない人がいたり、「舞台役者やってるから今度見に来てください!」っていう人がいたり。仕事よりも、そんな人たちと出会えるのが楽しかったのかもしれません。
この仕事に応募してくるからには、多少アプリやゲームに詳しい人が多くて、打ち解けるまでに時間はかかりませんでした。
20代男性
服装自由だし、髪型自由だし、ゲーム好きだから楽しいですね。バグ見つけた時はテンション上がりますよ!臨時ボーナスも貰えるし。
チームの皆も「おお~」って感じで、バグ見つけたらヒーロー扱いです。製作者の人が聞いたら殴られそうですけど(笑)。
外部の人と接する機会はほとんどないし、競争相手がいるわけでもないから、チームの結束力は嫌でも強くなりますよ。
20代女性
エンジニアを目指しながらこの仕事をしています。
専門用語でしか指示が成り立たないから、言葉の勉強をしないと働くのが難しいんですけど、事前に専門用語を覚えればなんとかついていけます。
確かにアプリ動作チェックは地味で地道な作業です。同じことの繰り返しだから、ずっと働いていると飽きます。
でも、ここからプログラマーを目指せると考えれば全てが勉強になるから、自分なりに楽しく働いています。
職場の雰囲気もそうですけど、細かくバグを見つけられる人に何を見ているのか聞いてみたり、そんなこと1つ1つが将来につながっていると思っています。
20代男性
いくら座りっぱなしで楽に仕事ができると言われても、1日中同じ姿勢でいると首やお尻に痛みを感じます。
一番大きいのは腱鞘炎ですかね。ず〜っとスマホに向き合っているから目も疲れてくるから、体は疲れてないのに節々は痛くなって、頭もヘロヘロ。そんな状態で毎日帰ります。
運動不足状態なのに、頭が疲れていると眠れなくなるんですよね。
とにかくバグを見つけなきゃいけないから、楽しくプレイはできないし、すべて指示に従った形で操作を進めなければなりません。やり始めた時はこれでお金もらっていいのかな?と思ってましたけど、長期間続けて大変さがやっとわかりました。
良い口コミでは、バイト仲間と仲良くなれた、ゲームが好きだから楽しかったという声が見られました。悪い口コミでは、目や体が疲れる、単純作業で飽きるという声も見られました。疲れを軽減するには、ブルーライトカットのメガネをかける、長時間同じ体勢で良すぎないようにストレッチを挟むなど、対策が必要ですね。
アプリの動作確認バイトに関するよくある質問
最後に、アプリの動作確認バイトに関するよくある質問をまとめて解説していきます。
アプリの動作確認バイトに関する疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
スマホアプリの動作確認バイトの注意点は?
まずは、「納期を厳守する」という点です。
どの仕事も納期が付き物ですが、スマホアプリの動作確認動作バイトはタイトなスケジュールで進行するケースが多いです。しかし、たとえ納期が厳しくても、必ず厳守するようにしてください。できる限り早め納品を心がけると、制作会社からの信用アップにつながって仕事を回してもらいやすくなるでしょう。
ふたつ目は、「守秘義務を守る」という点です。
スマホアプリの動作確認は発表前の商品に携わるため、守秘義務にはより慎重になる必要があります。発表前のアプリを触っている優越感から、ついつい「この前こんなアプリを触ったよ」と友人や家族に話してしまいそうになりますが、情報を漏らすと契約解除や最悪の場合訴訟問題につながる可能性もあります。業務で知り得た情報は他言しないよう注意しておきましょう。
アプリの動作確認バイトは初心者でもできる?
アプリの動作確認バイトは、資格などは求められません。経験者の方が採用を優遇されることはあるかもしれませんが、初心者でも始めやすいバイトです。
しかし、アプリの動作確認はスマートフォンで行う必要がありますし、動作確認の結果を会社に共有する必要があるため、簡単なパソコンの操作ができた方が良いでしょう。
また、特別なスキルも特に必要ありません。基本的にパソコンやスマートフォンを難なく使いこなせる方であれば、安心して作業を始められます。
専門用語が飛び交うこともあるので、プログラミングに関する知識などを持っているとスムーズに仕事ができるかもしれません。
アプリの動作確認バイトは怪しい?きつい?
アプリの動作確認バイトは怪しいのではないかと思われることもありますが、基本的には怪しい仕事ではありません。しかし、バイトに応募をした際に、「有料セミナーへの参加が必要」「仕事をするためには自社で販売している道具の購入が必要」などと言われた場合は詐欺の可能性があるので注意してください。
また、アプリの動作確認バイトは長時間同じ作業をするので、人によっては「きつい」「つらい」と思うこともあるでしょう。楽しくゲームをしたい、楽に働きたいといった感覚で仕事を始めると後悔する人も多いです。
同じ作業を繰り返しやるのが苦にならない人にはおすすめですが、同じ作業をしていると集中力が切れる、ずっと座って作業をするのが苦手という人には向いていません。メリットデメリットや良い口コミ・悪い口コミを参考に、自分に向いているかを判断してみてください。
アプリの動作確認バイトに必要な機器は?
バイトを始めるに際して必要な機器は、安定したネット環境とスマートフォンです。場合によってはパソコンも必要になります。会社に通勤してバイトをする場合は、会社に必要な機器が全て揃っているので、自分で購入する必要はないでしょう。
しかし、在宅で働く場合は上記3点を所持しているほうが良いでしょう。
アプリの動作確認バイトは在宅で働ける?
これまでにも解説したように、アプリの動作確認バイトは在宅で働くことも可能です。しかし、在宅の場合は自分で必要な機器を用意しておく必要があるだけでなく、会社で勤務するよりも給与が安い求人も多いので注意してください。
1プレイ2,000円という案件もあれば、1プレイ600円~1,000円というような案件もあります。仕事内容や給与のバランスを見てから働くかどうかを決めましょう。
ゲーム好きならアプリの動作確認バイトに挑戦してみよう!
アプリの動作確認バイトは、楽なように見えて、意外に大変な仕事です。「好きなことを仕事にしたい」という言葉をよく耳にしますが、その好きなことを行うにも必ず責任や苦労が伴います。それでもアプリ好き、ゲーム好きならこなせる仕事です。今回ご紹介したメリット・デメリットなどを確認して、「自分に合っていそうだな」と感じたら、ぜひ挑戦してみてください!