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派遣の雇用契約書の記載事項とは?重要項目や必要性も解説

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派遣で働くことになったけれど、「雇用契約書の仕組みや内容が分からない」「どういう流れで作成すればいい?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「そもそも雇用契約書とは何なのか?」という疑問に答えます。

未経験の方でも分かるように、雇用契約書の記載事項について1つずつ説明するので、これから派遣で働く方はぜひ参考にしてみてください。

雇用契約書の作成手順やコツの解説はもちろん、就職先選びを助ける「就業条件明示書」までご紹介するので、雇用契約書を作成する上での不安を軽減できるはずです。

雇用契約書の仕組みをしっかりと押さえて、楽しく働きましょう!

目次

派遣社員の雇用契約書とは?

雇用契約書

派遣社員の雇用契約書とはどのようなものなのでしょうか。派遣社員の雇用契約は、通常の正社員の雇用契約とは異なります。正社員は雇用先と直接雇用契約を交わすため、勤務先も雇用先が同じです。一方で派遣社員は、まず派遣会社と雇用関係を結んだのちに、勤務先の企業で働きます。派遣社員の場合、勤務先は雇用先ではないので、仕事関係の相談などは全て派遣会社を通して行う必要があります。

雇用の際の「雇用契約書」に関しては、正社員だけでなく派遣社員も書面で交わすはずなので、しっかりと確認しましょう。

また、派遣の雇用契約書は「労働者派遣契約書」「人材派遣契約書」「派遣労働契約書」など、さまざまな呼び名がありますが、全て派遣社員の雇用契約書という認識で問題ありません。

雇用契約書は入社日までに締結しておくと安心

派遣会社との雇用契約は、基本的に派遣先が決まってから就業をするまでの期間に結ばれます。派遣会社に登録して翌日から就業するといったような場合は順序が逆になるケースもありますが、一般的には働く前に就業内容や労働条件などを確認しながら契約をする形です。

中には契約書をなかなか送ってくれない派遣元もありますので、不安な場合は担当者に確認をすると良いでしょう。

働き始めた後は契約の更新のタイミングに合わせて契約書を交わし、雇用先を変更する際には新しく契約を結び直します。

派遣社員の雇用契約書に記載される内容とは

雇用契約書

派遣として雇用契約を結ぶ際には、労働基準法第十五条における労働条件の明示をする必要があります。

派遣の雇用契約書の記載事項は、契約期間、就業場所、業務内容、就業時間、残業の有無、休暇、賃金、退職など、就業するにあたって必要な内容が全てです。

しかし、派遣社員の場合には、これらが「基本契約書」と「個別契約書」に分けられています。

ここでは契約書について詳しく説明をしていくので、参考にしてみてください。

基本契約書の内容:同じ取引相手と交わす毎回の共通事項

派遣社員として派遣会社と雇用契約を交わす際の書類には、労働者派遣基本契約書と労働者派遣個別契約書があります。

「労働者派遣基本契約書」とは、人材派遣を依頼する企業と受注する企業、つまり企業間で交わされる人材派遣に関する決まり事を記載した書面です。

内容としては、人材派遣契約であること、派遣料金の詳細、派遣社員の休暇、派遣社員の退職や事故における損害賠償責任、契約解除、契約期間などのことが記載してあります。

こちらは、派遣社員として働く人個人個人に直接的に関係のあるものではありません。

基本契約書を作成する理由は?

基本契約書を作成する理由は、派遣社員が変わるたびに毎回契約書を交わしていると余計な手間がかかり業務に差し支えるため、人材派遣をするにあたっての基本事項に関しては共通事項として決めておきたいという意図からです。

これがあることによって、派遣社員が変わるたびに企業間で基本事項から契約をし直す必要がなくなります。

個別契約書の内容:個々で取引を行う際の具体的内容

先ほどの労働者派遣基本契約書が企業間での派遣契約の基本事項をまとめたものであるのに対し、「労働者派遣個別契約書」は個々の派遣社員の労働条件をまとめたものになります。

内容としては、派遣社員の業務内容、どの企業に勤務するのかの詳細、就業日やその期間、就業時間と休憩時間、残業や休日出勤の有無など、正社員で言うところの雇用契約書のような内容が記載されています。

こちらは派遣社員にとってとても重要な契約書となるため、必ず写しをもらうようにしましょう。

派遣の契約と雇用契約書作成の流れ

書類を運ぶ女性

契約書の内容について紹介しましたが、ここからは派遣の契約から雇用契約書作成までの流れについて説明していきます。

  1. 基本契約を締結する
  2. 抵触日の通知が派遣元の会社に届く
  3. 個別契約を締結する
  4. 派遣先管理台帳を作成して保存する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.基本契約を締結する

基本的に、労働者派遣基本契約書と労働者派遣個別契約書は別のタイミングで締結されます。まずは派遣元となる派遣会社と派遣先企業との間で労働者派遣基本契約書が締結され、人材派遣に関する基本的事項が決定します。

2.抵触日の通知が派遣元の会社に届く

抵触日の通知とは、派遣契約が締結される前に、派遣先企業から派遣会社へ送られる通知のことで、派遣の受け入れ期間などが記された書類です。この書類はあくまで企業間のやり取りであるため、個人に送られることはありません。

3.個別契約を締結する

ここまで来て、初めて労働者派遣個別契約書が出てきます。先に述べたとおり、労働者派遣個別契約書というのは個々の派遣社員の労働条件をまとめたものなので、しっかりと内容を確認するようにしましょう。個別契約には、具体的に下記のような内容が記載されています。

  • 業務内容
  • 業務に伴う責任の程度
  • 就業場所
  • 組織単位
  • 指揮命令者
  • 派遣期間
  • 就業日
  • 就業時間
  • 休憩時間
  • 安全及び衛生
  • 派遣労働者からの苦情の処理

それぞれの項目を確認して、事前に説明されていた内容と合っているか、疑問点はないかなど、注意しながらみてください。

4.派遣先管理台帳を作成して保存する

派遣先管理台帳は派遣社員それぞれのデータが書かれた書類で、派遣社員の氏名や通う事業所の所在地などが記してある台帳です。

こちらは会社で保管しておく物なので、個々の派遣社員には一切関係ありませんが、会社がこの台帳の管理をすることは法律で義務付けられています。

派遣の雇用契約書を作成する際のコツ

笑顔の女性

雇用契約書を作成するのは派遣として働く派遣社員目線ではなく雇用側ですが、派遣の雇用契約書を作成する際には正社員やアルバイトなど通常の雇用契約書とは違う点があるため、ここではそのポイントについて記載していきます。

人材派遣であることを記述する

派遣の雇用契約をする際には、労働者派遣基本契約書と労働者派遣個別契約書が必要ということは先述しましたが、これらの事項に加えて必ず「人材派遣であること」を明記する必要があります。

契約書の雛形は労働局のウェブサイトでチェック

弁護士や司法書士、社労士などの法律の専門家ではない担当者がゼロベースで派遣の雇用契約書を作成することは至難の業です。

作成が難しい場合には、これらの契約書の雛形が労働局のHPに掲載されているので、そちらを参考にして作成しましょう。

労働局のウェブサイトには、契約関連のみではなく労働に関するさまざまな情報が記載されているため、分からないことがあった場合には参考にしてみてください。

派遣の雇用契約書に記載される就業条件明示書とは?

就業規則

就業してから「思った内容と違う」「そんな業務は聞いていない」というトラブルをなくすために、労働派遣法では就業条件明示書という書類の交付を義務付けています。

就業条件明示書には、業務内容、勤務先の所在地、派遣期間、就業日、始業から就業までの時間、休憩時間などの詳細な条件が記載されています。

就業条件明示書はいつ確認できる?

就業条件明示書は基本的に派遣先への訪問や話し合いが一通り終わり、最終段階になってから確認する傾向にあります。少なくとも、派遣社員が派遣先で就業するまでには確認されるはずです。

実務的な内容は実際に働き始めてから後で確認ということもあるそうですが、これは非常に危険なので、必ず事前に確認するようにしてください。働き始めた段階で就業条件明示書がなければ、都合が悪い事が起きた場合に有耶無耶にすることが可能となってしまいます。

就業条件明示書の通知が来ない場合は?

就業条件明示書は法律によって義務付けられている書類なので、本来であれば就業条件明示書が渡されないということはありません。

就業条件明示書の通知が来ない場合には、まずは自分が所属している派遣会社に「就業条件明示書をもらっていないのですが」と尋ねましょう。

このような雇用に関する書類に関しては、必ず「派遣会社」に尋ねるようにしてください。派遣先の企業に聞いても雇用元ではないため、対応してもらうことはできません。大抵の場合は送付を忘れているだけなので、すぐに送ってもらえるはずです。

ここで注意しなければならないのは、最初に聞いていた話とは違う業務をやらせたり、残業などを課すことがあるのにその旨を記載した就業条件明示書を作らず、事実に即した内容に作り変えもしない悪質なパターンです。

現代は労働法が厳しくなったことにより、昔のような悪質な会社は減りましたが、まだまだこのような会社も存在します。

こういった悪質な会社は、「派遣を切られるかもしれない」「文句を言ったら次の仕事を回してもらえないかもしれない」という労働者の弱みにつけ込んでいることが多いです。

派遣社員として働いていてこのようなパターンに当てはまった場合は、即時改善の要求をし、それでも改善の見込みが無いようであれば、早めに縁を切るようにしたほうが良いでしょう。

そのような会社で働き続けても、この先良いことはありません。早めに派遣会社に相談するか、次の派遣先を探すのがおすすめです。

【派遣の雇用契約書】よくある質問

最後に、派遣の雇用契約書についてのよくある質問に答えていきたいと思います。

・派遣の雇用契約書がない場合はどうすればいい?

・派遣の雇用契約書の保管期間はどれくらい?

・確認すべき重要項目はある?

それぞれの質問と、その回答を見てみましょう。

派遣の雇用契約書がない場合はどうすればいい?

派遣で働いている方の中には、そういえば契約書をもらってないけど、どうすれば良いんだろう?とお悩みの方もいるかもしれません。

派遣社員の場合も、基本的には契約書が必要です。しかし、派遣会社との雇用契約は、契約書を結ばずに口頭のみで締結された場合も有効とされています。

契約書をもらっていない場合は、まずは派遣会社に問い合わせましょう。契約書を交わしておくと、賃金が事前に聞いていた額と違う、労働時間が違うといったもしものトラブルの際に証拠として役立ちます。契約書を交わさないのは違法行為になる場合もあるので、実際に仕事を始める前に確認しておくと安心です。

派遣の雇用契約書の保管期間はどれくらい?

これまでにご紹介してきたように、派遣で働く際に交わす契約書には「労働者派遣基本契約書」や「労働者派遣契約書」などがあります。

これらは、保存期間の定めはありません。しかし、派遣の契約期間中は念のため保管しておいたほうが良いでしょう。

確認すべき重要項目はある?

「契約書といっても、何が重要なのかよくわからない」、「何か確認しておくべき項目はある?」という質問も多く寄せられました。

派遣で働く場合は、自分が希望している業務内容と、契約書の記載内容に齟齬がないかよく確認しておきましょう。派遣社員は、契約として取り交わした業務以外を行うことはできません。

しっかりと契約書を確認することで、事務だけだといわれていたのに、実際は電話の受付業務もやらされる……などのトラブルを事前に防ぐことができます。

また、労働時間や給料についてもしっかりと確認しておきましょう。契約書は、自分が快適に働くためにもとても重要なものです。

まとめ

雇用契約書を確認する男性

この記事では、派遣社員の雇用契約書について、内容や契約の流れなどをご紹介しました。正社員やアルバイトに限らず、働く際は必ず契約の内容を確認してから就業するようにしましょう。

先にも述べた通り、派遣社員は派遣会社に文句を言ったら派遣を切られて次の仕事をもらえないかもしれないという気持ちから、契約内容と実際の業務内容が異なるものであっても下手に出る以外の選択肢がないと思われがちですが、現代の労働法規では労働者が弱者とならないようにかなり厳しいものとなっています。

契約と違う業務内容だった場合には、臆さずに会社に対して主張するようにしましょう。

また、契約に関する書類は必ず受け取るようにしてください。受け取るべき書類が手元にないと、自分の正当な権利を主張するときに困ることになります。

上記の点に気を付けて、安心して働ける環境を自分で作っていきましょう。

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