退職を決意したものの、「退職届の書き方がわからない」「理由は正直に書くべき?」といった不安を抱えていませんか?特に退職理由は、どう伝えれば円満に退職できるか悩むポイントです。
この記事を読めば、自己都合や会社都合、アルバイトなど、どんな状況でも迷わず退職届が書けるようになります。
まずは、最も使う機会の多い「自己都合退職」のテンプレートを紹介します。これを真似すれば、誰でもかんたんに退職届を完成できます。
目次
そもそも「退職届」と「退職願」って何が違うの?
退職を決めたとき、「退職届」と「退職願」のどちらを提出すべきか迷うかもしれません。この二つは提出するタイミングや法的な意味合いが異なります。
自分の状況に合わせて、どちらの書類が適切かを正しく理解し、円満な退職手続きの第一歩としましょう。
| 種類 | 提出するタイミング | 意味合い | 撤回の可否 |
|---|
| 退職願 | 退職の意思を最初に伝えるとき | 会社に退職を「お願い」する書類 | 可能(会社が承諾するまで) |
|---|
| 退職届 | 退職が確定した後に提出するとき | 退職を「届け出る」確定的な書類 | 原則不可 |
|---|
辞めることが確定しているなら退職届、まだ上司に相談する段階なら退職願を提出するのが一般的です。
退職願を提出し、会社から退職の合意を得たあとに、正式な書類として退職届を提出するケースもあります。
提出後の撤回はできないため、退職の意思が固まってから提出しましょう。
これだけ準備すればOK!退職届作成に必要なものリスト
退職届を作成する前に、必要なものをそろえておくとスムーズです。特別なものは必要なく、文房具店やコンビニエンスストアでかんたんに手に入ります。
いざというときに慌てないよう、事前にチェックリストで確認しておきましょう。
退職届の作成には、以下の4点が必要です。
B5サイズが一般的ですが、A4サイズでも問題ありません。罫線が入っていても良いですが、無地が最もフォーマルです。
消せるボールペンは絶対に使用しないでください。公的な書類のため、インクが消えない筆記用具を選びます。
便箋のサイズに合わせ、「長形4号(B5)」か「長形3号(A4)」を選びましょう。郵便番号の枠がないものが望ましいです。
認印で問題ありませんが、シャチハタは避けるのがマナーです。
【完全マニュアル】退職届の正しい書き方を7ステップで解説!
退職届には決まった書き方があります。ここでは、誰でもかんたんに作成できるよう、7つのステップに分けて具体的に解説します。
各項目で何を書くべきかを理解し、レイアウト通りに書き進めるだけで、マナーに沿った正式な退職届が完成します。
表題(退職届)
まず、便箋の1行目、中央に「退職届」と少し大きめの文字で書きます。これが書類のタイトルになります。前後に余白を持たせ、バランスを意識すると見栄えが良くなります。
私儀(わたくしぎ)
表題から一行空け、次の行の右下に「私儀」または「私事」と書きます。
「わたくしごとですが」という意味の謙譲語で、本文の書き出しに使う言葉です。本文の前にこの言葉を入れるのが、正式な書類作成のマナーです。
本文(退職理由と退職日)
私儀の次の行から、退職理由と退職日、そして退職する旨を簡潔に書きます。理由は「一身上の都合」とするのが一般的です。
退職日は、上司と相談のうえで決定した年月日を記入します。
(例文)
このたび、一身上の都合により、来たる令和〇年〇月〇日をもちまして、退職いたします。
提出日
本文から一行空け、退職届を会社に提出する年月日を記入します。和暦でも西暦でもかまいませんが、書類全体でどちらかに統一するのが望ましいです。
所属部署と氏名
提出日の次の行に、自分の所属部署名を正式名称で書きます。部署名の下に、自分のフルネームを書き、名前の下に捺印します。
捺印は、文字にかぶらないよう、少し離れた位置に押しましょう。
宛名(会社の代表者)
最後に、所属部署や氏名より上の位置に、会社の最高責任者の役職と氏名を書きます。宛名は代表取締役社長の氏名とし、敬称は「殿」とするのが一般的です。
自分の名前より上に書くのがマナーなので、レイアウトに注意しましょう。
【理由別】もう迷わない!退職理由の書き方と例文集
退職届で最も悩むのが「退職理由」の書き方ではないでしょうか。
自己都合や会社都合、あるいは病気や人間関係といったネガティブな理由など、状況によってどう書けば良いか解説します。
角を立てずに円満退職するためのポイントと例文を紹介します。
自己都合退職の場合は「一身上の都合」でOK!
転職や結婚、家庭の事情といった個人的な理由で退職する場合は、具体的な内容を書く必要はありません。すべて「一身上の都合」という定型句で表現するのが一般的です。
詳細な退職理由を記載する義務はなく、プライバシーの観点からも、この表現を使うのがビジネスマナーとされています。
会社から詳細を聞かれた場合は、面談などで口頭で伝えれば問題ありません。
会社都合退職の場合は具体的な理由を書こう
会社の倒産やリストラ、事業所の閉鎖など、会社側の事情で退職せざるを得ない場合は、具体的な理由を記載します。
たとえば、「貴社、〇〇事業部閉鎖のため」「早期退職のため」のように、事実を簡潔に書きます。
これは、失業保険の給付日数が長くなるなど、ハローワークでの手続きで有利になる可能性があるためです。
事実と異なる理由を書かないよう注意しましょう。
病気や人間関係…ネガティブな理由の場合はどう書く?
体調不良やパワハラ、職場の人間関係などが原因で退職する場合でも、退職届には「一身上の都合」と書くことを強く推奨します。
ネガティブな理由をそのまま書くと、退職までの期間、気まずい雰囲気になったり、トラブルに発展したりするリスクがあります。
具体的な事情は、信頼できる上司や人事担当者との面談の場で、冷静に伝えるのが円満退職のコツです。
【アルバイト・パート向け】退職届の書き方と注意点
アルバイトやパートタイマーの方でも、退職時に退職届の提出を求められることがあります。正社員とは異なる点や、特有の疑問について解説します。
スムーズに退職手続きを進めるために、基本的なルールとマナーをしっかり押さえておきましょう。
そもそもバイトでも退職届は必要なの?
アルバイトの場合、退職届が必要かどうかは会社の就業規則によって異なります。
店長や責任者に口頭で伝えるだけで済む場合も多いですが、後のトラブルを避けるためにも、書面での提出を求められるケースは少なくありません。
退職の意思を伝えたときに、「退職届は必要ですか?」と事前に確認しておくとスムーズです。提出を求められなくても、自分の意思を明確に示すために提出しておくと安心です。
バイト向けの退職届例文と提出相手
アルバイト用の退職届も、基本的な書き方は正社員と同じです。
宛名は会社の代表取締役社長とするのが最も丁寧ですが、わからない場合は直属の上司(店長など)でも問題ありません。
提出相手も、基本的には直属の上司です。
いきなり本社の人事部に送付するのではなく、まずはいつも指示を受けている上司に退職の意思を伝え、その指示に従いましょう。
テイケイワークス東京で短期バイトを探すのがおすすめ!
退職は決まったものの、「次の仕事がまだ決まっていない」「転職活動中の生活費が心配」という方も多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが、短期・単発の仕事です。
テイケイワークス東京なら、面接や履歴書が不要で、働きたいときにすぐ働ける仕事が豊富にそろっています。
たとえば、イベントスタッフや倉庫での軽作業など、未経験からでも挑戦できる職種がさまざまです。
転職活動の合間に効率良く稼いだり、新しい職種を試したりする良い機会にもなります。
まずは登録して、どんな仕事があるかチェックしてみましょう。
意外と知らない?退職届の封筒の書き方と提出マナー
退職届を書き終えたら、次は提出です。封筒の書き方や渡し方にも、社会人としてのマナーがあります。
最後のステップで評価を下げてしまわないよう、正しいマナーをしっかり確認しておきましょう。
ここでは、封筒の準備から提出までの流れを解説します。
封筒の表面・裏面の書き方
封筒は、郵便番号枠のない白無地のものを選びます。
表面の中央には、少し大きめの文字で「退職届」と書きます。裏面の左下には、自分の所属部署名とフルネームを書きましょう。
封をする際は、のり付けし、中央に「〆」マークを書くとより丁寧です。
退職届の正しい折り方と封筒への入れ方
便箋は、三つ折りにするのが基本です。まず、下から3分の1を上に折り、次に上から3分の1を下に折りかぶせます。
封筒に入れる際は、便箋の右上の書き出し部分が、封筒の裏側から見て右上に来るように入れます。
こうすることで、受け取った相手が封筒から出して開いたときに、すぐに読み始められます。
誰に・いつ・どうやって渡すのがベスト?
退職届は、必ず直属の上司に手渡しします。いきなり人事部やさらに上の役職者に渡すのはマナー違反です。
提出のタイミングは、まず口頭で退職の意思を伝え、会社の合意を得てからが基本です。
法律上は退職日の2週間前までに伝えれば良いとされていますが、円満退職のためには、会社の就業規則を確認し、退職希望日の1ヶ月~2ヶ月前には伝えるのが望ましいでしょう。
退職届の「困った!」を解決するQ&A
ここでは、退職届に関して多くの人が抱きがちな細かい疑問や、いざというときのトラブル対処法をQ&A形式で解説します。
万が一の事態にも冷静に対応できるよう、事前に知識を身につけておきましょう。
パソコンで作成してもいいですか?
基本的には手書きが最も丁寧とされていますが、会社の文化によってはパソコンでの作成が認められている場合もあります。
ただし、どちらの場合でも、署名だけは直筆で行うのがマナーです。手書きの署名があることで、本人の意思であることが明確になります。
退職届を会社に拒否されたらどうすればいい?
会社が退職届の受け取りを拒否しても、法的には退職の意思表示から2週間が経過すれば雇用契約は終了します。
万が一、上司が受け取ってくれない場合は、さらに上の役職者や人事部に相談しましょう。
それでも解決しない場合は、内容証明郵便で会社に送付するという最終手段もあります。
一度提出した退職届は撤回できますか?
「退職届」は、労働契約の解約を確定的に通知する書類のため、会社が受理した後は原則として撤回できません。
一方、「退職願」であれば、会社が退職を承諾する前であれば撤回できる可能性があります。提出する書類の種類とタイミングは、慎重に判断しましょう。
まとめ
退職届の作成は、社会人としての大切な手続きの一つです。理由の書き方に迷うかもしれませんが、自己都合の場合は「一身上の都合」と書けば問題ありません。
大切なのは、会社のルールとマナーを守り、感謝の気持ちをもって手続きを進めることです。
この記事で紹介した書き方やマナーを参考に、自信を持って退職届を準備し、円満な退職を実現してください。そして、新たな一歩を気持ちよく踏み出しましょう。