「最低賃金が上がったというニュースを見たのに、自分の時給は全然上がらない…」
このような状況に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、最低賃金が上がったのに時給が上がらない場合、違法なケースと違法ではないケースがあります。
この記事でわかること:
・時給が上がらないのは違法なのか
・自分の状況が違法かどうかを判断する方法
・違法な場合の対処法
・時給に不満がある場合の選択肢
目次
【結論】最低賃金で働いている人は時給が上がらないと違法です
現在、あなたが最低賃金ぴったりで働いている場合、最低賃金が上がったのにあなたの時給が上がらないのは違法です。
最低賃金法とは?
最低賃金法とは、すべての労働者に対して「この金額以上の賃金を支払わなければならない」と定めた法律です。
都道府県ごとに最低賃金の金額が決められており、毎年10月頃に改定されます。
重要なポイント:
・最低賃金はすべての労働者に適用されます
・アルバイト、パート、派遣社員、正社員、すべての雇用形態で適用されます
・「うちの会社は小さいから関係ない」ということはありません
最低賃金法に違反した会社には、50万円以下の罰金が科せられます。
最低賃金はいつから適用される?
最低賃金は、発効日から即座に適用されます。
発効日は都道府県ごとに異なりますが、多くの都道府県では毎年10月1日前後です。
たとえば、東京都の最低賃金が10月1日に1,113円から1,163円に引き上げられた場合、10月1日からあなたの時給は1,163円以上でなければなりません。
会社が「準備が間に合わなかった」「知らなかった」と言っても、それは理由になりません。
「試用期間中」「研修中」でも最低賃金は適用されます
試用期間中であっても、研修中であっても、新人であっても、最低賃金はすべての労働者に適用されます。
例外があるのは、都道府県労働局長の特別な許可を受けた場合(障害者、一部の職業訓練生など)のみです。
最低賃金以上で働いている人は時給が上がらなくても違法ではありません
元々、あなたの時給が最低賃金より高い場合、最低賃金が上がっても、あなたの時給が自動的に上がるわけではありません。
具体例:
東京都の最低賃金が1,113円から1,163円に上がったとします。あなたの時給が元々1,200円だった場合、最低賃金が上がっても、あなたの時給が1,200円のままでも違法ではありません。
なぜなら、あなたの時給1,200円は、新しい最低賃金1,163円を上回っているからです。
会社には時給を引き上げる義務はない
最低賃金以上の時給で働いている人の場合、会社にはあなたの時給を引き上げる法的な義務はありません。
あなたの時給を上げるかどうかは、会社の判断に任されています。
時給が上がらないなら、転職も選択肢です
最低賃金が引き上げられるタイミングは、多くの企業が時給を見直している時期でもあります。
同じ仕事内容でも、会社によって時給が大きく違うことはよくあります。
具体例:
A社の軽作業スタッフ:時給1,200円
B社の軽作業スタッフ:時給1,300円
時給が100円違えば、1日8時間、週5日働くと、月に約16,000円の差が出ます。
まず確認!あなたは今、最低賃金で働いていますか?
あなたの時給が違法かどうかは、次の2つを確認すればわかります。
- あなたが働いている都道府県の最低賃金
- あなたの今の時給
どちらも数分で確認できます。順番に見ていきましょう。
ステップ1:あなたの都道府県の最低賃金を確認する
Googleで「〇〇県 最低賃金」と検索してください。
令和6年度(2024年度)の最低賃金改定額の例:
東京都:1,163円(令和6年10月1日発効)
大阪府:1,104円(令和6年10月1日発効)
神奈川県:1,162円(令和6年10月1日発効)
埼玉県:1,078円(令和6年10月1日発効)
愛知県:1,077円(令和6年10月1日発効)
ステップ2:あなたの時給を確認する
- 時給制で働いている人の場合
給与明細の「時給」欄を確認してください。
- 月給制で働いている人の場合
月給を1ヶ月の労働時間で割って、時給を計算します。
あなたの時給 = あなたの月給 ÷ 1ヶ月の所定労働時間
具体例:
月給180,000円 ÷ 160時間 = 時給1,125円
注意!最低賃金の計算に含まれないもの:
・通勤手当(交通費)
・家族手当
・皆勤手当
・時間外労働手当(残業代)
・賞与(ボーナス)
つまり、基本給だけで最低賃金を上回っている必要があります。
確認できましたか?
あなたの時給が、最低賃金ぴったり、または最低賃金より低い場合
→次の「対処法」を読んでください
あなたの時給が、最低賃金より高い場合
→「時給アップを目指す方法」を読んでください
【最低賃金で働いている人向け】時給が上がらないときの対処法
あなたの時給が最低賃金を下回っている場合、会社は法律に違反しています。
ただし、いきなり労働基準監督署に相談する必要はありません。まずは証拠を残し、会社に確認するところから始めてください。
次の4つのステップで進めましょう。
ステップ1:給与明細と雇用契約書を確認して保管する
まず、証拠を集めましょう。
確認・保管すべきもの:
・給与明細(直近3ヶ月分以上)
・雇用契約書
・シフト表や勤務表
スマホで写真を撮って、クラウドに保存しておくと安心です。
ステップ2:会社(上司・人事)に確認する
次に、会社に確認しましょう。もしかすると、会社側のミスや、給与の反映が遅れているだけかもしれません。
伝え方の例文(コピペして使えます)
お疲れ様です。給与のことで確認したいことがあるのですが、少しお時間よろしいでしょうか。
〇〇県の最低賃金が10月1日から〇〇円に上がったと聞いたのですが、私の時給は〇〇円のままです。
最低賃金が上がった場合、私の時給も上げていただけると思っていたのですが、何か手続きが必要でしょうか?
教えていただけると助かります。よろしくお願いします。
ポイント:
メールやLINEなら、やり取りが記録として残ります。
ステップ3:改善されない場合は労働基準監督署に相談する
会社に確認しても時給が上がらない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署とは、労働基準法や最低賃金法などの法律が守られているかを監督する、国の機関です。
相談方法:
・電話で相談する
・窓口に行って相談する
・匿名でも相談できます
Googleで「〇〇県 労働基準監督署」と検索すると、あなたの地域の労働基準監督署が見つかります。
ステップ4:弁護士や労働組合に相談する
労働基準監督署に相談しても解決しない場合や、未払い賃金を請求したい場合は、弁護士や労働組合(ユニオン)に相談することも選択肢です。
相談先の例:
・法テラス(無料法律相談)
・日本労働弁護団
・地域のユニオン
【最低賃金以上で働いている人向け】時給アップを目指す3つの方法
時給が上がらなくても違法ではない場合、待っているだけでは時給は上がりません。自分から動く必要があります。
時給を上げる方法は、大きく分けて3つあります。
方法1:会社に昇給交渉をする
会社に昇給交渉をすることができます。
伝え方のコツ
・具体的な理由を添える(「〇〇の業務も担当するようになったので」など)
・会社への感謝の気持ちを伝える
・希望する時給の金額を具体的に伝える
ただし、会社には時給を上げる義務はないため、交渉しても時給が上がらないこともあります。
方法2:今の時給が相場より低くないか確認する
求人サイトで、同じ職種・地域の求人を見てください。
もし今のあなたの時給が相場より明らかに低い場合、転職を検討する価値があります。
方法3:もっと良い条件の仕事に転職する
最低賃金が引き上げられるタイミングでは、多くの企業が時給を見直しています。
求人サイトには高時給の求人が増える傾向があります。
具体例:
今の会社:時給1,200円
別の会社:時給1,350円
時給が150円違えば、1日8時間、週5日働くと、月に約24,000円の差が出ます。年間では約288,000円の差です。
未払い賃金は請求できる?時効は?
結論:
あなたの時給が最低賃金を下回っていた分の未払い賃金は、請求できます。
時効は3年です(2020年4月以降に発生した賃金の場合)。
未払い賃金の計算方法
未払い賃金 = (最低賃金 – あなたの実際の時給)× あなたが働いた時間
具体例:
最低賃金1,163円 – あなたの実際の時給1,100円 = 差額63円
63円 × 160時間(1ヶ月) = 10,080円
1ヶ月で10,080円の未払いがあることになります。これが3ヶ月続いていたら、30,240円です。
労働基準監督署や弁護士に相談すると、正確な金額を教えてもらえます。
「会社に言ったらクビになる?」不利益な扱いは違法です
結論:
あなたが自分の権利を主張したことを理由に、会社があなたを解雇することは違法です。
労働基準法では、労働者が労働基準監督署に申告したことを理由に、会社が解雇やその他の不利益な取扱いをすることを禁止しています。
解雇だけでなく、減給、降格、シフトを減らす、嫌がらせなども違法です。
あなたには、正当な賃金を受け取る権利があります。
一人で悩まず、労働基準監督署や専門家に相談してください。
よくある質問
以下に、最低賃金についてよく寄せられる質問をまとめました。
- 派遣社員ですが、時給が上がらないのは派遣会社の責任?派遣先の責任?
-
派遣社員の場合、あなたの雇用契約は派遣会社と結んでいます。そのため、責任があるのは派遣会社です。まずは派遣会社に確認しましょう。
- パートだから関係ないと会社に言われました。
-
最低賃金は、パート、アルバイト、派遣社員、正社員、すべての雇用形態に適用されます。「パートだから関係ない」というのは間違いです。
- 高校生のアルバイトでも最低賃金は適用されますか?
-
はい、適用されます。年齢による例外はありません。
- 副業・ダブルワークをしていますが、両方の仕事で最低賃金は適用されますか?
-
はい、適用されます。それぞれの仕事で最低賃金が適用されます。
- 会社が「来月から上げる」と言っていますが、待つべきですか?
-
最低賃金は発効日から適用されます。たとえば、10月1日が発効日なのに「11月から上げる」と言われた場合、10月分は違法です。10月分の差額も請求できます。
時給に不満があるなら、もっと良い条件の仕事を探してみませんか?
最低賃金が引き上げられるタイミングは、多くの企業が賃金を見直している時期です。
求人サイトには、高時給の求人が増える傾向があります。
同じ仕事でも、会社が変われば時給が変わる
同じような仕事内容でも、会社によって時給が大きく違うことはよくあります。
時給が150円違えば、1日8時間働くと1,200円の差です。週5日働けば6,000円、1ヶ月働けば24,000円の差になります。年間では約288,000円の差です。
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最低賃金が上がったのに時給が上がらない場合の対処法
- 最低賃金で働いている人は、時給が上がらないと違法
会社には、最低賃金以上の賃金を支払う義務があります。
- 最低賃金以上で働いている人は、時給が上がらなくても違法ではない
会社には、時給を引き上げる法的義務はありません。
- まず確認すべきこと
・あなたの都道府県の最低賃金を確認する
・あなたの時給を確認する
- 違法な場合の対処法
ステップ1:給与明細を保管する
ステップ2:会社に確認する
ステップ3:労働基準監督署に相談する
ステップ4:弁護士や労働組合に相談する
- 未払い賃金は請求できる(時効3年)
- 時給に不満があるなら転職も選択肢
最低賃金引き上げのタイミングは、転職のチャンスです。
今すぐ行動しましょう
確認すべきこと:
・あなたの都道府県の最低賃金
・あなたの時給
あなたの時給が違法な状態なら:会社に確認 → 労働基準監督署に相談
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あなたには、正当な賃金を受け取る権利があります。
一人で悩まず、行動を起こしてください。