フォークリフトを仕事で使うには、操作する機械の最大荷重に応じた資格が必要です。
この記事では、「費用はいくらかかる?」「未経験でも取れる?」といった疑問をお持ちの方に向けて、フォークリフト免許の種類や取得方法、費用などを解説します。
目次
フォークリフトの免許は2種類
フォークリフトの資格には「技能講習修了証」と「特別教育修了証」の2種類があります。どちらが必要かは、扱うフォークリフトの最大荷重によって変わります。
ここでは、2種類の概要と違いを解説します。
最大荷重1トン以上には「技能講習修了証」が必要
最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、フォークリフト運転技能講習を修了し、修了証を取得する必要があります。
これは労働安全衛生法に基づく就業制限業務にあたり、修了証なしで業務に就くことは法律で禁止されています。
倉庫や工場で使われるフォークリフトの多くは最大荷重1トン以上です。フォークリフトオペレーターとして働くなら、原則として技能講習修了証が求められます。
最大荷重1トン未満には「特別教育修了証」でOK
最大荷重1トン未満のフォークリフトを運転する場合は、フォークリフト運転特別教育の修了で足ります。こちらも労働安全衛生法に基づくもので、事業者が自社の労働者に対して行う安全衛生教育です。
1トン未満の小型フォークリフトが使われる現場は限られますが、狭い倉庫内や一部の製造現場で活躍の機会があります。
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| 項目 | 技能講習修了証 | 特別教育修了証 |
|---|
| 対象の最大荷重 | 1トン以上 | 1トン未満 |
| 根拠法令 | 労働安全衛生法第61条 | 労働安全衛生法第59条 |
| 実施機関 | 都道府県労働局の登録機関※外部機関での実施もあり | 事業者 ※外部機関委託も可 |
| 修了試験 | 学科・実技あり | なし(全課程受講で修了) |
| 講習時間 | 11〜35時間(コースによる) | 学科6時間+実技6時間 |
| 費用目安 | 2〜5万円 | 1〜2万円程度 |
| 有効期限 | なし(更新不要) | なし(更新不要) |
フォークリフト技能講習の取得方法と流れ
技能講習はどこで受けられるのか、どんな流れで進むのかを把握しておくと申し込みがスムーズです。ここでは、受講場所の探し方と講習の内容を順に説明します。
受講できる場所と申し込みの方法
技能講習は、各都道府県労働局の登録を受けた教習機関で受講します。コマツ教習所やコベルコ教習所など全国に拠点を持つ機関のほか、各都道府県の労働基準協会でも開催しています。
申し込みは各機関のウェブサイトまたは電話から行うのが一般的です。受講日程は機関によって異なるため、希望する日程の空きを確認したうえで予約しましょう。
申し込みの際には身分証明書、証明写真、保有免許証のコピーが必要になるケースが多いです。
講習の内容と時間割
技能講習は「学科」と「実技」の2部構成です。
学科では、フォークリフトの走行や荷役に関する知識、安全衛生に関する法令、力学的な基礎知識などを学びます。
実技では、実際にフォークリフトを操作する走行、荷役の練習を行い、最終日に修了試験を受けます。
講習は複数日にわたって実施され、日程を分けて受講することもできます。連続して通う必要はないため、仕事の合間に受講することも可能です。
取得にかかる費用と日数
受講時間は、保有している免許や運転経験によって大きく変わります。ここでは、保有免許別のコース区分と費用の目安を確認します。
保有免許・経験別の受講時間一覧
保有免許・経験別の受講時間を、以下の表にまとめました。
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| 受講者の区分 | 学科 | 実技 | 合計 | 目安日数 |
|---|
| 免許なし・原付免許のみ | 11時間 | 24時間 | 35時間 | 5日程度 |
| 普通・準中型・中型・大型自動車免許あり | 7時間 | 24時間 | 31時間 | 4日程度 |
| 大型特殊自動車免許あり | 5時間 | 6時間 | 11時間 | 2日程度 |
| 普通免許等あり+特別教育修了後フォークリフト運転業務3か月以上 | 7時間 | 4時間 | 11時間 | 2日程度 |
受講者は普通自動車免許をすでに持っている方が最も多く、31時間コースを4日程度で受講するのが一般的です。
大型特殊免許や一定の実務経験がある方は11時間コースで最短2日での取得も可能です。
費用の目安
受講費用の目安を、以下の表にまとめました。
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| コース | 費用目安 |
|---|
| 35時間コース | 4〜5万円程度 |
| 31時間コース | 3.5〜4.5万円程度 |
| 11時間コース | 2〜3万円程度 |
証明写真代や教材費が別途かかる場合もあります。事前に教習機関の案内で確認しておきましょう。
なお、会社に依頼して受講費用を負担してもらえるケースもあります。すでに在籍している職場でフォークリフト免許の取得を求められた場合は、費用負担について相談してみましょう。
修了試験の内容と合格基準
技能講習の最後には学科と実技の修了試験があります。合格基準や出題傾向を把握しておくと安心です。ここでは、試験の内容と対策のポイントを解説します。
学科試験について
学科試験は、講習で学んだ内容から出題されます。フォークリフトの構造、走行や荷役の知識、関係法令、力学など、講習テキストの範囲が中心です。
合格基準は各科目40%以上(荷役に関する知識の科目のみ60%以上)、総合で60%以上の得点とされているケースが一般的です。
講習中に配布されるテキストをしっかり読み込んでおけば十分に対応できます。
実技試験について
実技試験では、走行操作と荷役操作の両方が評価されます。フォークリフトを安全に操作しながら、コース内を指定どおりに走行する課題が基本です。
講習をまじめに受けていれば合格を目指すことは十分に可能です。
ただし、安全確認(周囲への目視確認や一時停止)を怠ると減点対象になるため、実技中は丁寧な確認動作を意識することが大切です。
フォークリフト特別教育の受け方
1トン未満のフォークリフトに対応する特別教育は、技能講習とは手続きが異なります。ここでは、受講方法と費用・日数をまとめます。
受講方法と実施場所
特別教育は、事業者(会社)が自社の従業員に対して行うのが原則です。ただし、外部の教習機関に委託して受講することもでき、個人で申し込める機関もあります。
技能講習とは異なり、実施機関が都道府県労働局に登録されている必要はありません。受講後は、事業者が修了の記録を3年間保管することが義務付けられています。
費用と日数
特別教育の講習時間は学科6時間・実技6時間の計12時間で、1〜2日で修了するのが一般的です。
費用は1〜2万円程度が目安で、技能講習よりも安く短時間で取得できます。修了試験はなく、規定の時間数を全課程受講すると修了証が発行されます。
フォークリフト免許を活かせる仕事と時給
フォークリフト免許を取得すると、倉庫や工場をはじめとする多くの職場で即戦力として働くことができます。
ここでは、主な仕事の種類と、アルバイト・派遣での時給の目安を紹介します。
主な職場と仕事内容
物流倉庫・配送センターでは、商品の入出庫・棚入れ・ピッキングエリアへの補充などがメインの仕事です。フォークリフトを使う時間が長く、免許の価値が発揮されやすい職場のひとつです。
工場・製造ラインでは、原材料の搬入や製品の出荷前移動などでフォークリフトを操作します。製造の合間に軽作業を担当するケースもあります。
港湾・空港では、コンテナや貨物の積み下ろしが主な業務です。特殊な現場経験として評価されることもあり、さらなるキャリアアップにつながる場合があります。
また、意外な所ではホームセンターやコストコでも商品の入荷時にフォークリフトを使っていたりします。
時給の目安
フォークリフト免許があると、一般的な軽作業よりも高い時給で働けることが多いです。
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| 雇用形態 | 時給目安 |
|---|
| アルバイト・パート | 1,200〜1,500円程度 |
| 派遣 | 1,500〜1,900円程度 |
夜勤手当や資格手当が加わると、さらに高くなる場合があります。フォークリフト免許は取得後すぐ給与に反映されやすい資格のひとつです。
フォークリフト免許に有効期限はあるか
フォークリフト運転技能講習修了証、特別教育修了証ともに有効期限はなく、更新の必要もありません。一度取得すれば生涯使い続けることができます。
ただし、長期間フォークリフトを運転していないと技術の低下や安全意識の薄れが懸念されます。そのため、ブランクが長い場合は勤務先が安全教育を実施することがあります。
厚生労働省の通達では、フォークリフト運転業務に就いてからおおむね5年ごとに「フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育」の受講が推奨されています。
まとめ
フォークリフトの資格には「技能講習修了証」と「特別教育修了証」の2種類があります。
実務で使われる機会が多いのは技能講習修了証で、保有免許や経験に応じたコースを受講することで最短2日〜5日程度で取得できます。
フォークリフト免許は、倉庫・工場・港湾など幅広い職場で活かせる実用的な資格です。取得後はアルバイトや派遣での時給アップも期待でき、長期的なキャリアにもつながります。
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